【舞桜77】酒造会社が手掛ける消毒用アルコールが凄い!

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 昨今、手指消毒用のアルコールが非常に不足しています。
一般家庭のみならず、病院や歯科医院などでもアルコールが不足しており、入手に難航。
そんな中、さまざまな酒造会社が立ち上がり、醸造技術を活かして、消毒用に使えるアルコールづくりを開始しています。

 千葉県山武市にある酒造会社「守屋(もりや)酒造」さんでも、この取り組みをされており、5/2より店頭販売を開始


1本、500mlで¥1,610(税別)だ。

私の自宅でもアルコールが底をついていたので、本日守屋酒造さんへ購入しに行ってきました。
その際、五代目蔵主の守屋 雅博さんよりいくつか特徴を教えて頂くことができました。

参考までに、守屋酒造さんで製造される人気のお酒は「舞桜」という辛口の日本酒です。

・高濃度アルコール「舞桜77」の紹介

 守屋酒造さんが販売する消毒用に使用できるアルコールは舞桜77といいます。
名前からアルコール度数が77度と高濃度なアルコールです。
購入前に試しに使わせていただきました。
感想として、とても香りが良い。そして後に残らないので使用しやすいと感じた。
そして何より肌へのダメージが少なく、逆に潤いを感じる。
※使用後にべたべたとするようなことは、とてもさっぱりしている。

※私の場合、一般のエタノール消毒液は使用後肌がガサガサになる。


下記に守屋酒造さんからいただいたパンプレットの内容を詳細記載いたします。

補足
厚生労働省は高濃度のエタノールを消毒用の代わりに使う場合、70〜83vol%の濃度を推奨している。
アルコールは濃度が高すぎると揮発性も同時に高まり、効果が持続しないことが理由。適正度数は40パーセントから殺菌効果が高まり、70パーセントで最も高い効果を発揮するという。

一時期「スピリタス」など、アルコール度数96度のウォッカが消毒用に使えないか?といった件があったが、逆に高濃度過ぎて消毒には向かないようだ。
こういった部分を考慮して、アルコール度数をいい具合に調整したのがこの「舞桜77」である。

◆舞桜77の特徴
(守屋酒造さんのパンプレット内容より)

1.香り・・・焼酎の香りが最初香る。手になじませるとすぐに消える。
2.消毒作用・・・77度の通常消毒液と同じ
3.成分・・・焼酎と日本酒のみを使用
4.蒸発・・・消毒液と同様に蒸発
5.保湿・・・焼酎、日本酒の持つ保湿力を感じる
(実際使用してみて、確かに使用後に肌が潤う実感が出来た)
6.飲用不可表示・・・5/1の酒税通達に基づき、「飲用不可」表示
(これにより、酒税免除製品として消費者へのお届け可能)

◆舞桜77の製造方法

守屋酒造生産の純米焼酎「守正」をベースに使用。
単式蒸留焼酎を再蒸留することで、アルコール度数を77度まで高める。
通常は香料を添加するところ、純米大吟醸「舞桜」を加え、スピリッツとして仕上げる。
これは全国的にもとても珍しい製造方法である。

一般的には、醸造用アルコール(95度程度の濃度)に、水や香料を加え希釈することで、70程度のアルコール濃度に調整するところ、守屋酒造さんでは、既存のお酒(43~45度程度)を再蒸留することでアルコール濃度を高め生産をしている。(これが全国でも珍しい点だ)

◆舞桜77の生産能力

・400リットル/週
(一日当たり80リットル)

度数60度台後半を超えるお酒は、消防法で危険物に該当する。(火気厳禁)
80リットル/日とは、消防法の保管量に基づいた生産能力だ。

◆舞桜77の価格

¥1,610(税抜き)

補足:宅配、取り置きは行っていません。
現時点では店頭での小売りがメインだ。地域住民や、千葉県内の医療関係者など不足しているところに、まずは優先して供給をしていきたいと、守屋さんは話していた。

撮影:TOYOBOY
五代目蔵主 守屋 雅博さん

・守屋酒造とは?

明治26年から続く、老舗酒蔵である。
詳細Wikipedia → 参照

白壁を使用した木造タイプの蔵が特徴で、この蔵を利用したコンサートなども開催される。
同様に、酒蔵の見学を行うことも出来るほか、蔵主の守屋さんからお話を伺うことも出来るぞ。

現在~夏ころまでは焼酎造り、10月頃からは日本酒の生産が本格的に始まる。
現在の自粛が解除されたら一度見学に訪れるのも良いかもしれない。
駐車場も広く、大型バスも入れる。

木造建築の蔵の一部には、その昔「杜氏」さんたちが住まいとして使っていた場所がそのまま残っており、歴史を感じることが出来るのも特徴だ。

また、近くには海や、有名な道の駅「オライはすぬま」もある。
実は、五代目蔵主の守屋 雅博さんは、「オライはすぬま」の名付け親の一人だ!

この近くに遊びに来た際には、一度足を運んでみると面白いだろう。

  • 屋号:守屋酒造株式会社
  • 社長:守屋 雅博さん(代表取締役社長 通称 五代目蔵主)
  • 住所:千葉県山武市蓮沼ハ-2929
  • キャッチコピー:千葉発日本一の夢

HP:http://maizakura.com/
TEL:0475-86-2016

・全国の酒造会社に広がる消毒用アルコール生産

日本全国で、数々の酒蔵が生産に乗り出している。
下記にいくつか紹介していこう。

1.菊水酒造
品名・・・アルコール77
タイプ・・・ウオッカ
アルコール度数・・・77度

2.久米仙酒造
品名・・・アルコール67%
タイプ・・・泡盛
アルコール度数・・・67度

3.明利酒類
品名・・・メイリの65%
タイプ・・・ウオッカ
アルコール度数・・・65度

4.小正醸造
品名・・・KOZURU SPIRITS 77%
タイプ・・・スピリッツ
アルコール度数・・・77度

5.笹一酒造
品名・・・笹一アルコール77
タイプ・・・・スピリッツ
アルコール度数・・・77度

他にも多数あり

・舞桜77生産への想い

 昨年の台風被害に続いて、千葉県ではコロナの感染者が多い。
また、病院や歯科医院などでもアルコールやマスクなどが不足し、安定した供給はしばらく見込めない状況である。事実、どのドラッグストアに行ってみても、消毒用エタノールを見かけることはない。
よって、何か酒造会社として社会に役立つことが出来ないか?そして困っている人たちを助ける方法が無いか?
今自分たちが出来ること → その結果が、この舞桜77の生産というわけだ。

すでに、千葉県内からの医療関係者へ納品をスタートされており、今後も順次供給していくとのことだ。
この試みで助かる方はたくさんいるだろう。
非常にありがたい。

・まとめ

 今回の訪問でとてもよい体験ができた。
何より、同じ山武郡市でこのような試みが行われていることは、とてもうれしく、何より誇らしい。
こういった社会貢献につながる活動は、どんどん応援したいと思います。

まだいつまでこの状況が続くかわからないが、消毒用アルコールの供給不足は、各酒造会社のサポートで少しづつ改善していくのだろう。

一日も早い終息を願うばかりだ。

Orayt!

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