【ファミリアロータリークーペ】その車はダッシュボードに置いたショートホープが浮き上がって飛んでくるという。

車・バイク関係

 こんにちはTOYOBOYです。
あなたは「ファミリア」という車をご存じですか?
そう、「マツダ」の車ですね。
私が車の免許を取ったときは、「ファミリア」というと4ドアセダン or 5ドアのハッチバック車というイメージでした。ちなみに親しい友人がファミリアSワゴンという車に乗っていました。
このファミリア、今はもうカタログ落ちしています。

そんなファミリアですが、過去には「ロータリーエンジン」を積んだモデルが存在していました。

ちなみに私の父が初めて購入した車が、このロータリーエンジンを搭載した、「ファミリアロータリークーペ」という車です。

・ファミリアロータリークーペとは?

 1967年に2代目ファミリアは初のモデルチェンジを行う。
翌、1968年、当初コスモスポーツに搭載したロータリーエンジンを、ファミリアにも搭載し販売する。(デチューン版)これがファミリアロータリークーペだ。
この車を私の父は初めての愛車に選ぶ。
当時、T型のダッシュボードがとても印象深かったようです。

 父の周りでは同クラスの、「日産 サニー」、「トヨタ カローラ」などに乗っている友人がいたが、「マツダ」乗りがまだ居なかった。
他の人と被るのは嫌だったようで、父はファミリアロータリークーペを選んだのだ。

・9,000回転まで回るロータリーエンジン!

 ロータリーエンジンというと、私の時代ではFCやFD型のRX-7が主流であり、基本的にはターボエンジンであった。(追ってNAエンジンのRX-8が発売)
 レシプロエンジンとの大きな違いは、レシプロエンジンは爆発の縦方向のエネルギーを回転運動に変えるが、ロータリーエンジンは爆発の回転運動をそのまま回転にすることで、とてもスムーズな特性があり、高回転域まで気持ちよく回るエンジンである。
 しかし、その反面低回転が「イエローゾーン」といういわゆる使えない回転数で、乗り方には多少コツがいるようだ。
 思い切りよくアクセルを吹かしある程度回転を維持しながら、タイミングよくクラッチをつなぐ。スムーズに発進をしなければ、たちまちプラグがカブってエンストしてしまう。当然現在の車のようにコンピューターで制御されていない。
初心者の頃は随分と練習したようで、ガソリンがすぐになくなったのが、今となってはいい思い出らしい。
 そう、平成になってからもそうであったが、ロータリーエンジンは非常に燃費が悪い。

・もう一度乗りたい車

 酒に酔った父はよくこのファミリアの話をする。
現在でもスポーツカーが好きな父だが、年を取ったこともあり、昔を懐かしむ傾向があるようだ。
 そう、スピードが出る車ではなく、昔ながらの味がある車に再度乗りたいと考えている。
しかし、ハコスカやケンメリといったスカイラインなどと違い、ファミリアロータリークーペはほぼ現存する中古車が無い。ある意味希少な車だ。
 このファミリア、前後ブレーキはドラム、リヤのスプリングはリーフ式、現在の車からすれば性能はだいぶ落ちる。ただ、父の思い出の中で特別な思い入れがある車なのである。
何より、レシプロエンジンにはない特性がNAのロータリーエンジンにはある。
アクセルを踏み込んだ際、ロータリーはどこまでも回っていくような感じを受けるのだ。

また、ダッシュボードの上に置いたショートホープが、レシプロエンジンの車だと、ストンと下に落ちるのに対し、高回転でパワーが出てくるロータリーエンジンでは、これがふわっと浮き上がって飛んでくるように感じるらしい。

 そんな話を楽しそうにする父の横顔を、どこか少年のように感じた。

・まとめ

 現在の車はすべてがコンピューター制御されている。
正直運転を楽しむ車というより、安全に制御された車に乗せてもらっているとイメージだろう。
父が免許を取った時代は、そんな便利な装備は当然ついていない、しかしそれがまた免許取りたての若者にとってはたまらない感覚だったのであろう。
 これからそんな車が日本で発売されることはまずないだろうが、当時少年であったおやじ世代の記憶の中で生き残っている。それもまた渋くて悪くない。

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